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なぜ日本の温室効果ガス排出は減ったのか|2023年度データで見る減少要因と次の課題

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2023年度の日本の温室効果ガス排出・吸収量は約10億1,700万t-CO₂eで過去最低を更新。排出構造(CO₂・エネルギー起源)と減少要因を整理し、企業が押さえるべき省エネとエネルギー転換の要点を解説します

この記事を読んで欲しい人
  • 日本の脱炭素の現状を知りたい方
  • 工場・物流・オフィスなど、エネルギーを使う現場の改善テーマを探している方
  • 排出削減の説明(社内稟議、取引先対応、開示)に使える「日本全体の前提」を押さえたい方
目次

導入

日本の温室効果ガス排出は減少基調にありますが、重要なのは「どれだけ減ったか」だけではありません。排出の中心がどこにあり、何が減少に効いたのかを押さえることで、企業として優先すべき対策が見えてきます。
本稿では、2023年度のデータをもとに、日本の排出の全体像(ガス別・部門別)を整理し、減少要因を確認したうえで、企業が現場で実装しやすい論点をまとめます。

日本の温室効果ガス排出はどこまで減ったか

2023年度、日本の温室効果ガス排出・吸収量は約10億1700万t-CO₂eでした。2022年度比で4.2%減少、2013年度比で27.1%減少となり、2013年度以降の過去最低値を更新しています。排出量(吸収を除く)は約10億7100万t-CO₂e、吸収量は約5370万t-CO₂eです。

内訳をみると課題の中心がはっきりします。ガス別では、CO₂が排出の大部分を占め、2023年度はCO₂が989Mt-CO₂e(約92.3%)。そのうちエネルギー起源CO₂が922 Mtと大宗で、非エネルギー起源CO₂は67.0 Mtです。メタン(CH₄)は29.4 Mt、一酸化二窒素(N₂O)は15.8 Mt、代替フロン等4ガスは37.0 Mtと続きます。

出典:full.pdf(環境省)

上記から分かるように日本の排出削減でまず押さえるべきは「エネルギー起源の排出量」です。2023年度の排出はCO₂が約9割を占め、その中心は電力と燃料の使用に由来する排出です。またCO₂排出量を部門別に見ると、排出は産業・運輸・業務・家庭に広く分布しており産業では設備更新や熱の使い方、運輸では配送網と車両・燃料、業務・家庭では建物の空調・給湯と電力の選び方が、そのまま排出に跳ね返ります。つまり、排出がどれだけ下がるかは、どれだけ「省エネ」と「エネルギーの再エネ化」を、工場・物流・建物・調達の判断に落とし込むことができるかと言えるでしょう。

何が減少に効いたのか

排出が減った背景には、複数の要因があります。2023年度については、電源の脱炭素化(電源構成に占める再生可能エネルギーと原子力の合計割合が3割超)に加えて、製造業の国内生産活動に伴うエネルギー消費の減少などが要因として挙げられています。

ここで一歩踏み込んで考えるべきは、「減少の質」です。電源側の脱炭素化は、構造的に効く可能性が高い一方で、生産活動の減少は景気や需要で反転し得ます。つまり、排出が減っているから安心ではなくて、景気が戻っても排出が戻らない状態を作れるかが重要になります。

その意味で、企業目線の優先順位は明確です。省エネの積み重ねはもちろん、設備更新、熱源の転換、電化、電力の脱炭素化(再エネ調達など)といった「戻りにくい削減」を増やすこと。これが「再現性のある削減」に変えるポイントです。

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参考文献

2023年度の温室効果ガス排出量及び吸収量(概要)環境省 000310278.pdf

令和7年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 full.pdf

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