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パリ協定、相当調整や第6条とは

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パリ協定第6条の仕組みと「相当調整」の意味を整理します。
また、国際クレジット取引のルールから自主的炭素市場(VCM)への影響まで整理し、
企業がカーボンクレジットを活用する際に抑えるべきポイントを分かりやすく解説します。

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この記事を読んで欲しい人
  • パリ協定第6条や相当調整について、断片的な理解を整理したい方
  • カーボンクレジットの国際的なルールや制度背景を正しく理解したい企業担当者の方
  • JCMやArticle 6.4など、国連管理メカニズムと自主的市場の違いを理解したい方
  • カーボンクレジットを単なるオフセットではなく、国際ルールに整合した形で活用したい方
目次

導入

カーボンクレジットの活用が広がる一方で、「パリ協定第6条」や「相当調整(Corresponding Adjustment)」といった国際ルールを正しく理解できている企業は、まだ多くありません。しかし、これらの概念は、クレジットの信頼性や主張の正当性を左右する重要な要素です。

パリ協定は、すべての国が温室効果ガス削減に取り組む国際枠組みとして採択され、その中でも第6条は、排出削減量について国境を越えて活用するためのルールを定めています。特に「相当調整」は、国同士や企業の間で排出削減効果を移転する際に、二重カウントや二重主張を防ぐための中核的な仕組みです。

本章では、パリ協定と第6条の全体像を整理したうえで、相当調整の考え方や、自主的炭素市場(VCM)への影響、今後企業が注意すべきポイントについて解説します。

パリ協定、相当調整や第6条とは

パリ協定と第6条

パリ協定は国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において採択され、2016年に発効しました。京都議定書に代わる、2020年以降の温室効果ガス排出削減のための国際枠組みであり、歴史上はじめてすべての国が温室効果ガス排出削減等の取組に参加する公平な合意となります。

パリ協定の概要としては外務省より以下わかりやすくまとめられておりますので引用します。

  • 世界共通の長期目標として2℃目標の設定。1.5℃に抑える努力を追求すること。
  • 主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新すること。
  • 全ての国が共通かつ柔軟な方法で実施状況を報告し、レビューを受けること。
  • 適応の長期目標の設定、各国の適応計画プロセスや行動の実施、適応報告書の提出と定期的更新。
  • イノベーションの重要性の位置付け。
  • 5年ごとに世界全体としての実施状況を検討する仕組み(グローバル・ストックテイク)。
  • 先進国による資金の提供。これに加えて、途上国も自主的に資金を提供すること。
  • 二国間クレジット制度(JCM)も含めた市場メカニズムの活用。

パリ協定の第6条では、世界の温室効果ガスの排出削減を効率的に進めるために「排出削減量」の国際的な取引に関してのルールやメカニズムを規定したものです。

主に下記3つの枠組みがあります。

  1. 第6条2項―第6条の実施ガイダンス
    国と国が直接協定を結び、排出削減分を移転可能とする枠組みで、日本の「JCM(二国間クレジット)」はこの仕組みに該当します。
  2. 第6条4項―国連が管理するメカニズム
    国連の監督下で運用される市場メカニズムでPACM(Paris Agreement Crediting Mechanism (Article 6.4 mechanism)と呼ばれます。また、京都議定書のCDM(クリーン開発メカニズム)の後継制度で、COP30において正式にCDMの役割の終了が決まりました。
  3. 第6条8項―非市場アプローチ
    クレジットの移転を伴わない、緩和・適応を含む国際協力の枠組みを規定しています。

相当調整とは

排出削減効果を他国に移転する際に、ホスト国(クレジット創出国)が自国のNDC(国が決定する貢献)からその分を差し引く会計上の調整のことをいい、二重カウントや二重主張を防ぐために必要な調整です。また、相当調整が必要となるのは2021年以降に創出されたGHG排出削減量が対象となります。

自主的市場への影響と今後の展望

自主的炭素市場(ボランタリー・カーボン・マーケット:VCM)においても、相当調整を求める動きが広がっており、ISO14068やVCMIなどに基づく主張を検討する企業にとって、クレジットに相当調整が付与されているかどうかは需要な確認事項となっています。

そのため、企業は自社の主張目的や活用手段に応じて、相当調整の要否を適切に確認することが求められます。

参考文献

2020年以降の枠組み:パリ協定|外務省

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