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環境表示で「不適切」と指摘された5つの事例|グリーンウォッシュを避ける実務ポイント

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環境省資料に掲載された「環境表示が不適切と指摘された5事例」をもとに、何が問題とされたのか(事実)と、企業が同じ失敗を避けるための実務ポイント(解釈)を、環境コンサルの視点でわかりやすく整理します。

最終更新日:2026年3月16日

この記事を読んで欲しい人

・商品パッケージや店頭POP、ECサイトで「環境にやさしい」「リサイクル可能」などの表示を検討している方
・Webサイト/SNS広告/動画広告でサステナ訴求を行う広報・マーケティング担当者
・環境配慮の根拠を社内で整理・説明する必要がりサステナビリティ担当者
・景品表示法や広告審査対応の観点で、環境表示のリスクを減らしたい法務・コンプライアンス担当者

目次

導入 なぜ環境表示は「不適切」と指摘されやすいのか

環境配慮の表示は、消費者の選択を後押しし、企業の取り組みを正しく伝えるための重要なコミュニケーション手段です。一方で、言葉が抽象的になりやすく、前提条件(どの範囲で、どんな条件で、どの程度)が省略されやすい領域でもあります。だからこそ、根拠や条件が不足したまま「良さそうに見える言い回し」を先に置いてしまうと、意図せず過大な印象を与え、「不適切」と指摘されるリスクが高まります。

環境省は事業者の自己宣言による環境主張について、国際規格(ISO 14021/国内ではJIS Q 14021)に沿った“わかりやすく適切な環境表示”を促すガイドラインを公表しています。そこでは、曖昧な主張を避けること、説明文を付すこと、検証に必要なデータや評価方法を提供可能であること等が重要だと整理されています。
本記事では、環境省資料に整理された「不適切と指摘された事例」5件を素材に、何が問題とされたのか(事実)と、同じ落とし穴を避けるための実務上の学び(解釈)を分けて解説します。


事例1 生分解性をうたった表示(日本)

事例:2022年12月、消費者庁は「生分解性がある」と受け取られ得る表示を行っていた複数の販売事業者に対し、景品表示法に基づく措置命令を出しました。対象にはカトラリー類や釣り用品、ごみ袋・レジ袋、エアガン用BB弾などが含まれます。さらに2024年2月には、BB弾をめぐる表示について一部事業者に課徴金納付命令も出ています。

当該表示には「土の中や水中の微生物によって分解する」といった趣旨の表現が見られ、使用後に自然環境中で分解するかのような印象を与えうる点が問題の中心でした。 解釈(実務の学び):「生分解性」という言葉は、条件が書かれていないと「どこでも自然に還る」と読まれやすい表現です。試験法が特定条件(温度、微生物環境、期間など)を前提にしているなら、その条件を主張とセットで示さないと、言葉の強さが先に立って課題に見えます。社内では、試験方法・前提条件・根拠資料をすぐ提示できる状態で保管することが、リスク低減の基本動作になります。

事例2 「未来を守る」など曖昧なスローガン

事例:英国の広告規制機関ASAは、航空会社の広告における将来の環境に関する主張について、消費者に誤解を与えないこと、そして主張を裏付ける確かな根拠を持つことを求めました。広告では地球のイメージと「未来を守る」といったスローガンが組み合わされていました。

解釈(実務の学び):「未来を守る」のような言葉は、範囲・期限・手段が見えないと、すでに十分な対策ができているという印象を与えやすい表現です。スローガンを使うなら、同じ導線で「何の取り組みの話か」「どの範囲に効くのか」「いつまでに何をするのか」を具体化し、言葉の強さを説明で支える設計が安全です。

事例3 再生材比率の不明確表示+「プラスチック廃棄物をなくす」

事例:スニーカー広告で「再生材料比率」の伝え方が製品全体として明確ではないこと、また「プラスチック廃棄物をなくす」といった表現が過大な印象を与えうる点が指摘された事例があります。部材(例:アッパー)の話と製品全体の話が混同される構図も論点になりました。

解釈(実務の学び):ここで起きているのは、「部品の属性」が「製品全体の属性」に見えてしまう問題です。再生材を使っていること自体は当然悪くなく、読み手が「靴全体の一定割合が再生材」「買えばプラスチックゴミがゼロ」と受け取れる設計だと、過大評価に見えやすくなります。比率は全体なのか部材なのかを明確にし、効果表現も「なくす」より「削減に寄与」「低減」といった測定・説明可能な言葉へ寄せる方が良いでしょう。

事例4 リサイクル可能だが条件が伝わらない

事例:使い捨てコーヒーポッドの「リサイクル可能」表示をめぐり、地域によって自治体の回収・受入状況が異なるのに一律の主張になっていた点が問題となり、是正措置(罰金、包装変更、通知など)に至った事例があります。

解釈(実務の学び):「リサイクル可能」は理論上できるでは足りず、実際に回収・選別・再資源化の仕組みが使えるかが前提です。地域差があるなら、「どこで」「どんな分別をすれば」「どの制度で回るのか」を条件として添えないと、消費者はどこでもリサイクルされると受け取りやすいです。結果として、誤った分別排出を誘発するリスクもあります。

事例5 特定製品の環境主張に世界平均データを使用

事例:世界平均の素材データを用いて特定製品の環境優位性をうたうと、消費者に誤解を与える可能性があるとして問題になった事例があります。論点の一つは、データの対象範囲が「cradle to gate」(素材が製品となり使用されるまで)であり、製品ライフサイクル全体を示すものではない点でした。

解釈(実務の学び):平均データは内部改善には有用ですが、消費者向け主張に転用すると「この製品の実態」を示しているように見えがちです。原産地、電力、加工工程が違えば影響は変わりますし、部分範囲のデータを全体の結論のように提示すると誤解が生まれます。だからこそ、データの範囲(どこからどこまで)と、比較条件(何と比べているか)を最初から明示する必要があります。

まとめ 同じ失敗を避けるための実務チェックポイント

5つの事例に共通するのは、「言葉が強いのに条件が書かれていない」「範囲が混同されている」「根拠をすぐ示せる体制がない」という3点です。環境表示は“出した瞬間から説明責任が始まる”ため、制作工程の中に①曖昧表現を避ける、②説明を付ける、③根拠を提示可能にする、を組み込むことが、結局は最もコストの低いリスク対策になります。
なお、個別案件は表示媒体や文脈、受け手の印象、根拠資料の質で判断が変わります。生分解性、リサイクル可能、カーボンニュートラルなど影響が大きい主張を出す場合は特に注意が必要となります。

弊社にもグリーンウォッシュにならない開示について

アドバイスを求められる機会が増えている印象です。

中にはカーボンニュートラルやネットゼロ等に混同されがちな

キーワードも多いため、こういった排出量削減目標の開示や

PRの際にも正しい知識が必要と考えます。

お困りごとがございましたら是非ご相談ください。

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