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SBTi短期目標の実務完全ガイド ― 基準年・野心度・スコープ別要件を体系的に理解する ―

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SBTi短期目標(C13〜C21)の基準年設定、野心度、スコープ別要件を実務目線で解説。SBTi申請・運用に悩む担当者向けの体系的ガイド。

最終更新日:2026年3月16日

この記事を読んで欲しい人

・SBTi短期目標の要件が複雑で整理しきれていない方
・基準年・目標年の考え方に不安がある担当者
・スコープ1・2・3の野心度設定で判断に迷っている方
・コンサル任せにせず、自社で説明できるようになりたい方

目次

導入

SBTiの短期目標基準は、年々アップデートされる中で「どこまで厳密に守るべきか」「どこが実務上の判断ポイントなのか」が分かりにくくなっています。特に「C13」以降は、基準年・目標年、野心度、スコープ別の要件が複雑に絡み合い、読み解くだけでも一苦労です。
本記事では、SBTi基準の条文をそのままなぞるのではなく、「実際に企業が目標を設計・提出・説明する立場」でどう理解すべきかに焦点を当てます。読み終える頃には、SBTi短期目標の全体構造と、実務で迷いやすい論点を自分の言葉で説明できる状態になることを目指します。

基準年と目標年の考え方(C13)

概要

SBTi短期目標の設計は、基準年と目標年の設定が重要です。基準年と目標年の条件を満たさない場合、どれだけ野心的な目標設定であっても申請が通らないことになります。

主なポイント(要約/サマリー)
  • 短期目標は提出日から5〜10年をカバー
  • 基準年は2015年以前不可
  • スコープ1・2は同一基準年必須
  • 複数年平均の基準年は原則用いない(ただしセクター別要件で認められる場合あり)

基準年は2015年以降、スコープ1・2や短期・長期目標では統一する

基準年は「データが揃っている年を選べばよい」と思われがちですが、SBTiでは明確な制約があります。まず2015年以前は認められません。これはパリ協定以降の排出削減努力を前提にしているためです。
また、スコープ1と2は必ず同じ基準年および直近年を使う必要があります。ここを分けてしまうと、インベントリの一貫性が崩れ、審査で修正を求められる典型例になります。長期・短期で同一スコープの基準年を揃える必要がある点も、意外と見落とされがちです。なお、スコープ3については、スコープ 1・2と同一の基準年・直近年を推奨していますが、異なる年も可能とされています。ただし、スコープ 3のなかでは全カテゴリで一貫している必要があります。

実務上のまとめ
  • 「一番都合の良い年」ではなく「要件を満たす年」を選択
  • スコープごとの基準年ズレに注意
  • 将来の更新も見据えて選定する

目標年は申請から5~10年以内、または2030年

目標年は、総量/原単位ベースの排出削減の短期目標の場合、申請から5~10年以内を対象とすると定められています。ただし、短期クライテリアv5.3では、企業は全ての短期目標に2030年を目標年として設定することを推奨されており、これにより5~10年時間枠要件の適用が免除される運用が示されています。

現在までの進捗と直近年の扱い(C14)

概要

短期目標は「将来の数字」だけでなく、直近年の排出実績との整合性が問われます。ここでは直近年の考え方が重要になります。

主なポイント(要約/サマリー)
  • 2050年ネットゼロと整合が必須
  • 直近年は原則同一年

直近年は今の立ち位置

「C14」は、短期目標を単なる「将来の約束」として評価するのではなく、直近年の排出実績を起点に、2050年までの削減軌道が最低限ネットゼロに整合しているかを確認するための基準です。
SBTiは、目標値が数値上どれほど野心的に見えるかよりも、直近年から2050年までを直線で結んだ場合でも、排出量または原単位が増加しない軌道になっているかを重視しています。直近年の水準から見て、将来に大きな削減を先送りするような計画は、この段階で認められません。

この整合性は、①総排出量の直線的削減(absolute reduction)、②原単位の直線的削減(intensity reduction)、③原単位の収束(強度が低下し続けること、intensity convergence)のいずれかで示される必要があります。いずれの場合も、排出量や原単位が途中で増加する前提は許容されません。

実務面では、こうした評価の前提として直近年GHGインベントリの扱いが重要になります。基準年が提出時点から2年以上前の場合には、2年以内に算定された数値を直近年として追加提出することが求められます。また、スコープ1およびスコープ2は同一の直近年を使用する必要があり、スコープ 3についても同一年を用いることが推奨されています。さらに、別年データの流用(代理データ)は認められておらず、実績に基づいた進捗評価が前提となります。 「C14」は、短期目標が現実の排出水準から見て、科学的に破綻していない削減軌道の延長線上にあるかを確認するための、重要なチェックポイントと位置づけられています。

実務上のまとめ
  • 最新の直近年GHGインベントリ整備を最優先する
  • スコープ間で直近年の年ズレを生じさせない
  • データ品質はC14評価および審査全体の核心となる

スコープ1・2の野心度と目標タイプ(C15〜C17)

概要

スコープ1・2はSBTiの中核であり、1.5℃整合が最低条件です。総量目標か原単位目標かの選択も重要です。

主なポイント(要約/サマリー)
  • Scope1〜3:組織バウンダリ・会計年度
  • CFP:製品システムバウンダリ・機能単位
  • 時間軸と空間軸が異なる

Scope1〜3は「どの会社を含めるか」が出発点

Scope1〜3ではまず、組織バウンダリを決めます。
財務支配か運用支配か、どの子会社・事業所を含めるか、といった企業会計に近い考え方です。

時間軸は通常1会計年度で、活動量×排出係数によるインベントリ集計が中心となります。

主なポイント(要約/サマリー)
  • 1.5℃整合は必須
  • 総量目標は計算式が明確
  • 原単位目標はセクターパスウェイ必須

スコープ1・2目標の野心度(C15)

「C15」は、企業が設定するスコープ1およびスコープ2の短期目標に求められる最低限の「水準」を定めた根幹的な基準です。ここで重要なのは、どの手法を使うか以前に、目標そのものが1.5℃目標に整合していなければならないという点です。SBTiは、企業の排出削減が世界全体の脱炭素経路と整合しなければ、個別企業の努力が十分であっても科学的に意味を持たないと考えています。

この基準は「shall(必須)」であり、推奨ではありません。つまり、1.5℃に整合しないスコープ1・2目標は、方法や表現にかかわらず認定されません。絶対量目標であれ原単位目標であれ、結果として達成される削減ペースが1.5℃経路以上であることが求められます。

また、会計年度の扱いも実務上極めて重要です。多くの企業は会計年度(FY)で排出量を管理していますが、SBTiの審査においては評価の基準を暦年(CY)に置いています。そのため、ある会計年度(FY)が2つの暦年にまたがる場合、「月数が多い暦年」を基準として野心度を判定します。会計年度が暦年に均等にまたがる(つまり決算期が6月末である)場合は、後半の暦年が評価対象となります。このルールはすべての目標に一貫して適用され、企業側の恣意的な年選択を防ぐ役割を果たしています。

総量削減目標(C16)

「C16」は、スコープ1・2における総量削減目標(Absolute target)が認められるための具体的な条件を定めています。ここでは、「C15」で示された「1.5℃整合」という抽象的要請を、定量的な削減率として明確化している点が特徴です。SBTiは、複数の1.5℃排出シナリオのうち「最小限の野心度」を下限として設定し、それと同等以上の削減を求めています。

具体的には、年率約4.2%の線形削減が基準となります。この4.2%は、SBTiが1.5℃整合のシナリオ群のうち、「最低限の下限」として採用している線形削減ペースを意味します。「最低限これだけ削減しなければ1.5℃には整合しない」という下限値として位置づけられています。

計算方法は基準年によって異なります。

・基準年が2020年より後の場合
 4.2% ×(目標年 − 2020)

・基準年が2015~2020年の間(2020年を含む)の場合
 4.2% ×(目標年 − 基準年)

この違いは、パリ協定以降の時間軸を考慮し、削減の先送りを防ぐ設計となっています。基準年を早い年に設定したからといって、数式上、より緩い削減目標が許容されるわけではありません。一方で、直近年を基準年として設定する場合には、排出水準が最新の実態を反映するため、同じ削減率であっても削減すべき絶対量が大きくなり、実務上はより厳しい目標設定となるケースが多くなります。

「C16」の本質は、「排出総量そのものを確実に減らす」ことにあります。事業成長や効率改善を理由に、排出量が実質的に増加するような目標は認められません。したがって、総量削減目標は、最も直接的で厳格な1.5℃整合手法と位置づけられています。

原単位目標(C17)

「C17」は、スコープ1・2について原単位(Intensity)目標を設定する場合の条件を定めた基準です。一般的には原単位目標とは、売上高、生産量、活動量などの指標あたりの排出量を削減する目標であり、成長産業や設備更新が進む業種で多く用いられます。しかしSBTiは、原単位目標が不適切に使われると、排出総量の増加を正当化しかねないというリスクを明確に認識しています。

そのため「C17」では、スコープ1・2に対する原単位目標を無条件には認めず、SBTiが承認した1.5℃のSDA(Sectoral Decarbonization Approach)パスウェイを用いてモデル化されている場合のみ適格としています。これは、単なる効率改善目標ではなく、「そのセクター全体が進むべき脱炭素経路」に企業の原単位削減を厳密に結びつけるためです。

言い換えれば、企業が独自に設定した指標や内部想定に基づく原単位削減は認められず、科学的に裏付けられたSDA経路との整合性が求められます。該当するSDAパスウェイが存在しない場合、原単位目標自体が認められません。

スコープ3目標の野心度と設計(C18・C19)

概要

スコープ3は「2℃を十分に下回る」水準への整合が最低条件ですが、設計の自由度と難易度が高い領域です。

主なポイント(要約/サマリー)
  • 2℃を十分に下回る水準への整合が必須
  • 総量削減・原単位削減どちらも可
  • サプライヤーエンゲージメントが鍵

原単位目標の注意点

「C18」は、スコープ3排出削減目標に求められる最低限の野心度を定めた基準であり、スコープ1・2より一段低いものの、明確に科学的整合性を要求している点が特徴です。具体的には、短期のスコープ3目標は、世界の気温上昇を2℃を十分に下回る(Well-below 2℃)水準に抑えるために必要な脱炭素化経路と整合した手法に沿って設定しなければなりません。これは、データ不確実性や排出が企業の直接管理外にあるというスコープ3の特性を踏まえつつも、「最低限ここまでは必要」という国際的合意水準を示したものです。

総量削減目標の場合、最低削減率は年率2.5%を基準とし、基準年によって計算式が分かれます。基準年が2020年よりも後であれば「2.5%×(目標年−2020)」、2015~2020年であれば「2.5%×(目標年−基準年)」が最低ラインとなります。これは、削減開始の遅れを許容しない設計であり、スコープ3であっても実質的な削減を求めるSBTiの姿勢を示しています。 原単位目標については要件がより厳格です。経済的原単位では、GEVA(付加価値単位当たり排出量)に基づく必要があるとされ、付加価値の算定方法もSBTi指定の定義に限定されます。物理的原単位では、分母は製品・サービス量など排出を代表する物理量でなければならず、金額ベースは不可とされます。いずれの場合も、年複利で最低7%の原単位削減が必要であり、かつ活動量の成長予測とセットで示さなければなりません。これは、効率改善のみで排出増を正当化することを防ぐための重要な歯止めです。

主なポイント(要約/サマリー)
  • 財務データとの整合確認
  • 年7%以上削減の現実性検証

サプライヤーまたは顧客エンゲージメント目標(C19)

サプライヤーや顧客にSBTを促す目標は、削減量ではなく行動変容が評価対象です。B2Cが対象外である点も要注意です。

「C19」は、スコープ3排出削減の手段として認められるサプライヤーまたは顧客エンゲージメント目標の要件を定めた基準です。これは、自社で直接削減できない排出に対し、取引関係を通じて削減を促すアプローチを正式に位置づけたものであり、スコープ3管理の現実性を強く意識した要件といえます。

まずバウンダリについて、企業は目標バウンダリ内のサプライヤー/顧客に関連する排出量のみに対応しなければなりません。企業が当該カテゴリ内の排出を発生させるサプライヤー/顧客の100%をエンゲージメント対象とする意図がない限り、エンゲージメント目標がカテゴリ全体の100%をカバーすることは不可能です。次に策定要件として、対象となる排出量の何%が目標に含まれるのか、それが把握できない場合は年間調達支出の何%が対象かを、必ず目標文言で明示しなければなりません。これにより、曖昧な「働きかけ」ではなく、定量的に評価可能な目標であることが求められます。

期間については、原則としてSBTiに提出日から最大5年以内に達成する必要があります。なお、短期クライテリアv5.3では、2030年またはそれ以前を使用することが推奨されています。野心レベルとしては、対象となるサプライヤーや顧客が、SBTi企業短期基準の最新版に整合した目標を持つことが求められます。SBTiによる検証は推奨事項にとどまりますが、信頼性確保の観点からは重要な要素です。

なお、SBTiの基準評価指標では、顧客エンゲージメント目標は法人顧客(B2B)に限定され、一般消費者(B2C)は対象外との記載があります。これは、企業が実質的な影響力を行使できる範囲に限定することで、実効性を担保するためです。「C19」は、スコープ3削減を「努力目標」に終わらせず、取引構造そのものを変革する仕組みとして位置づけている点に意義があります。

主なポイント(要約/サマリー)
  • 対象割合を明確に宣言
  • 5年以内達成を前提に設計

統合目標と再生可能電力の扱い(C20・C21)

概要

複数スコープをまとめた統合目標や、再生可能電力による代替手法は、正しく使えば有効です。

主なポイント(要約/サマリー)
  • 統合目標でも個別審査あり
  • スコープ1・2は1.5℃必須
  • 再エネは2030年100%が基準

統合目標の落とし穴

「C20」は、スコープ1・2・3を単一の目標として統合的に設定することの可否と条件を定めた基準です。多くの企業は、コミュニケーションの簡潔さや社内管理のしやすさから「スコープ1+2」や「スコープ1+2+3」といった統合目標を志向することがありますが、SBTiはその利便性よりも科学的妥当性の担保を優先しています。

この基準の核心は、「統合してよいが、中身は分解して厳密に評価される」という点にあります。SBTiは統合目標全体の削減率だけを見るのではなく、スコープごとの構成要素を個別にレビューし、それぞれが該当する最低野心度基準を満たしているかを確認できる場合にのみ、統合目標を認めます。したがって、スコープ1・2の削減が不十分であるにもかかわらず、スコープ3の大きな削減で「平均化」するような目標設定は許されません。

具体的には、スコープ1+2は少なくとも1.5℃シナリオに整合していること、スコープ3は少なくとも2℃を十分に下回るシナリオに整合していることが必須条件です。これはC15~C18で定められた最低野心度を、統合目標においても一切緩めないというSBTiの姿勢を示しています。

さらに重要なのは、セクター別にスコープ3の最低野心度が定められている場合には、「C24」(セクター別要件)が「C20」に優先するという点です。つまり、統合目標であることを理由に、より厳しいセクター要件を回避することはできません。「C20」は柔軟性を与える条文である一方、「統合は簡略化ではなく、構造的整合性の上に成り立つ」ことを明確にした歯止め条項といえます。

実務上のまとめ
  • 統合スコープ目標であっても審査の際にはスコープ別に評価
  • セクター別例外に注意

再生可能電力は万能ではない

再生可能電力目標はスコープ2限定の代替手法です。すでに高水準の企業は「維持」が求められる点が実務的なハードルになります。

「C21」は、スコープ2排出削減の代替手段としての再生可能電力調達目標を正式に認めた基準です。通常、スコープ2の短期目標は電力使用に伴う排出量削減率として設定されますが、電力の脱炭素が電源構成の変化によって進むという特性を踏まえ、SBTiは「排出削減」ではなく「再生可能電力の積極的調達」を成果指標とするアプローチを許容しています。

ただし、これは無条件に認められるものではありません。「C21」では、1.5℃シナリオと整合的なペースで再生可能電力を調達することが前提条件とされています。その具体的な閾値として、RE100の勧告に沿い、「2025年までに80%、2030年までに100%」の再生可能電力調達が示されています。これは「目安」ではありますが、実質的にはSBTiが想定する最低限の水準として機能しています。

すでにこの水準を超えている企業に対しても要件は厳格で、「再生可能電力の利用を維持または増加しなければならない」と明記されています。また、長期目標においては、2030年以降も100%再生可能電力を維持することが必須であり、一時的な達成では不十分です。

さらに、スコープ2をロケーション基準で報告している企業であっても、マーケット基準に基づく再生可能電力の積極調達を証明できれば、この目標を設定可能とされています。これは、報告手法の違いによって再生可能電力の調達努力が否定されないよう配慮した規定です。「C21」は、電力脱炭素における企業の役割を「結果」だけでなく、市場を変える行動そのものとして評価する考え方を示しています。

実務上のまとめ
  • マーケット基準の証明を準備
  • 長期的な調達計画が必須

まとめ

概要

SBTi短期目標は基準年・野心度・スコープ要件が整合した構造設計が本質です。時間軸や1.5℃整合、スコープ3の線引きを理解し、形式差戻しを避けつつ自社で理由を説明できることが重要です。

主なポイント(要約/サマリー)
  • SBTi短期目標は「数値」ではなく、基準年・直近年・野心度・スコープ別要件が相互に整合した「構造」として設計されているため、一部の理解不足でも形式要件で申請が通らないリスクがある。
  • C13・C14では時間軸(基準年と削減開始点)の整合性が最重要で、すべての前提となるため後からの修正が非常に難しい。
  • C15〜C17ではスコープ1・2について1.5℃整合が絶対条件であり、総量目標か原単位目標かの選択に応じて厳密な計算と説明が求められる。
  • スコープ3(C18・C19)は自由度がある一方、最低野心度や指標制約、エンゲージメント目標など明確なルールが存在し、「何でもあり」ではない。
  • C20・C21では統合目標や再生可能電力活用といった実務的手法にも厳しい歯止めがあり、最終的に重要なのは目標設計の理由を自社の言葉で説明できることである。

SBTi短期目標は「数値設定」ではなく「構造理解」が成否を分ける

SBTi短期目標(C13〜C21)は、単に削減率や目標年を決めればよい仕組みではなく、基準年・直近年・野心度・スコープ別要件が相互に整合した「構造」として設計されている点に本質があります。どこか一つでも理解が曖昧なまま進めると、数値自体は立派でも形式要件で差し戻されるリスクが高まります。

本記事で見てきたように、まずC13・C14では「いつを基準に、どの地点から削減を始めているのか」という時間軸の整合性が厳しく問われます。ここはすべての議論の土台であり、後から調整することが難しい部分です。次にC15〜C17では、スコープ1・2について1.5℃整合という絶対条件のもと、総量か原単位かを選び、その選択に応じた厳密な計算と説明が求められます。

スコープ3(C18・C19)は自由度が高い反面、最低野心度や指標の制約、エンゲージメント目標の設計など、「何でもあり」ではない明確な線引きが存在します。さらにC20・C21では、統合目標や再生可能電力といった実務上魅力的な手法にも、安易な簡略化を許さない歯止めがかけられています。 SBTi短期目標の実務対応で最も重要なのは、「なぜこの設計なのか」を自社の言葉で説明できることです。本記事が、担当者自身が判断・説明できる状態に近づくための整理軸となれば幸いです。

出典:https://docs.sbtiservices.com/resources/CriteriaAssessmentIndicators.pdf

https://files.sciencebasedtargets.org/production/files/SBTi-criteria.pdf?dm=1757950127&_gl=1*4w3z7q*_gcl_au*Mzk2NDUzNzc0LjE3NjQ1Njk2MDI.*_ga*MjgyMjAwODE1LjE3NTY3ODA2NjU.*_ga_22VNHNTFT3*czE3NjY1NjEyMDIkbzg4JGcxJHQxNzY2NTYxMjUyJGoxMCRsMCRoMTQ1MTk1NDI2

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