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削減貢献量(Avoided Emissions)とは?WBCSDガイダンスv2.0で読み解く算定・開示の実務

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同じ年に、同じ会社の数字が「排出が増えた」と「排出を減らした」を同時に語ることがあります。製品が売れるほど自社のScope 3(目録会計)の排出量は増えますが、その製品が社会で従来品を置き換えていれば、削減貢献量(介入会計)はむしろ大きくなります。両者は差し引きできない、別の物差しです。削減貢献量(Avoided Emissions)は、自社が提供する製品・サービスが社会全体の排出をどれだけ回避させたかを評価する指標であり、自社の排出責任を映すScope 1〜3とは見ている対象が異なります。本記事では、2025年に公表されたWBCSDガイダンスv2.0と日本のガイドライン群をもとに、定義・算定・開示の実務を一次資料に基づいて整理します。

監修者:株式会社ウェイストボックス 木塚晴久(環境ソリューション第1事業部 部長)
最終更新日:2026年6月22日

この記事を読んで欲しい人

  • 脱炭素・GXに関する情報開示を担当している方
  • Scope 1〜3だけでは自社の事業価値を示しきれないと感じている方
  • 環境配慮型の製品・サービスの貢献を定量的に説明したい方
  • 削減貢献量の算定・開示をWBCSDガイダンスv2.0に沿って整理したい方
  • 投資家・取引先への説明で削減貢献量の使いどころを知りたい方

目次

  1. 削減貢献量とは何か――社会全体への貢献を測る指標
  2. 似て非なる概念との違い――Scope 3・CFP・カーボン・クレジット
  3. どう算定するか――WBCSD v2.0の5ステップと寄与率
  4. 3つのゲート――主張するための適格性
  5. 日本のガイドライン群と国際標準化の動き
  6. 開示と活用――グリーンウォッシュを避けるために
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ
  9. 参考資料
目次

1. 削減貢献量とは何か――社会全体への貢献を測る指標

削減貢献量(Avoided Emissions)とは、環境負荷の小さい製品・サービス(ソリューション)が存在する場合と、存在しなかった場合の最も起こりうる代替シナリオ(参照シナリオ/ベースライン)とを比べたときの、ライフサイクル全体の温室効果ガス排出量の差分を指します。WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)のGuidance on Avoided Emissions v2.0は、削減貢献量を「ソリューションを導入したシナリオと、導入しない参照シナリオとを比較した際に生じる、ライフサイクル全体における温室効果ガス排出量の推定差」と定義しています。日本でも経済産業省が2018年に「温室効果ガス削減貢献定量化ガイドライン」を公表し、全業界に共通する基本的な考え方を整理しています。

削減貢献量の基本的な考え方。ベースライン(参照シナリオ)の排出量からソリューション(評価対象の製品等)の排出量を差し引いたものが削減貢献量=社会全体で回避された排出量。図1 削減貢献量の基本的な考え方

ここで最も重要な点は、削減貢献量が「自社の排出量」ではなく「社会全体への貢献」を表すことです。自社の工場やオフィスの排出量(GHGインベントリ)は、Scope 1〜3として算定・開示されます。一方で、省エネ性能の高い機器や軽量化素材のように、使う側(他者)の排出を減らす製品は、その価値がScope 1〜3の数値にはほとんど反映されません。このギャップを埋めるために整理されてきた考え方が削減貢献量です。

注目が高まった背景には、開示の文脈の変化があります。気候関連の開示は長く「気候変動がもたらすリスクへの対応」を中心に進んできましたが、近年は「企業が社会にどんな脱炭素ソリューションを提供しているか」という機会の側面も問われるようになりました。GXリーグ(GX経営促進ワーキング・グループ)「気候関連の機会における開示・評価の基本指針」(2023年3月)は、削減貢献量を「気候関連の機会」を表す代表的な項目の一つと位置づけ、その評価・開示の基本的な考え方を整理しています。WBCSDも2025年7月にガイダンスをv2.0へ改訂し、国際的な標準化が一段と進みました。

2. 似て非なる概念との違い――Scope 3・CFP・カーボン・クレジット

削減貢献量は、しばしば「Scope 4」と呼ばれることがありますが、これは正式な区分ではなく、Scope 1〜3とは別軸であることを示す通称です。混同しやすい3つの概念との違いを整理します。

Scope 3(とくにカテゴリ11)との違い

最も誤解が多いのが、Scope 3カテゴリ11(販売した製品の使用に伴う排出)との関係です。両者は会計の性質そのものが異なります。WBCSDガイダンスは、GHGインベントリ(Scope 1〜3)を「目録会計(inventory accounting)」、削減貢献量を「介入会計(intervention accounting)」として区別しています。目録会計は一定期間の絶対排出量を過去の基準年と比較するもので、介入会計は同じ年における参照シナリオとの差分を示すものです。

この違いは、製品が売れたときに数字の動く向きが逆になることに表れます(図2)。たとえば1台あたりの使用時排出量が旧製品10t-CO₂・新製品6t-CO₂で、新製品を3台販売した場合、Scope 3カテゴリ11では6t-CO₂×3台=18t-CO₂と、販売が増えるほど排出量は増えます。一方、削減貢献量では(10−6)×3台=12t-CO₂となり、販売が増えるほど貢献量も増えます。両者は計測している対象が異なるため、合算したり差し引いたりはできません。だからこそ、両者を区別して並べて開示することで、自社の排出責任と、製品・サービスを通じた社会全体への貢献という、性質の異なる2つの側面を示せます。

目録会計(Scope 3カテゴリ11)と介入会計(削減貢献量)の違い。販売が増えると目録会計では排出量が増え、介入会計では貢献量が増える。両者は合算・相殺できない。図2 目録会計(Scope 3)と介入会計(削減貢献量)の違い

カーボン・フットプリント(CFP)との違い

CFP(製品のカーボンフットプリント)は、ある製品のライフサイクル全体の排出量そのものを表す指標です。削減貢献量は、その製品とベースラインとの「差分」を扱う点が異なります。CFPは1製品の絶対量、削減貢献量は2つのシナリオの相対差、と整理すると分かりやすくなります。CFPの基礎は、媒体内の「CFP入門」で解説しています。

カーボン・クレジットとの違い

カーボン・クレジットは、第三者が実施した排出削減・吸収の成果を取引可能な形にしたもので、オフセット(相殺)に用いられます。削減貢献量は取引の対象ではなく、自社のソリューションが社会にもたらした影響の評価です。WBCSDガイダンスは、削減貢献量を自社のカーボン・ニュートラル達成の主張に使わないこと、GHGインベントリの埋め合わせ(オフセット)に用いないことを明確に求めています。クレジットと証書の違いは、媒体内の「カーボンクレジットと再エネ証書の違い」を参照ください。

3. どう算定するか――WBCSD v2.0の5ステップと寄与率

WBCSDガイダンスv2.0は、削減貢献量の算定を5つのステップに整理しています(図3)。ステップ1で評価期間を特定し、ステップ2で参照シナリオを定義し、ステップ3でライフサイクル排出量を評価し、ステップ4で削減貢献量を評価して貢献の正当性を確認し、ステップ5(任意)で配分や企業レベルでの集計を行う、という流れです。

削減貢献量の算定5ステップ(WBCSD v2.0)。ステップ1評価期間の特定、ステップ2参照シナリオの定義、ステップ3ライフサイクル排出量の評価、ステップ4削減貢献量の評価、ステップ5企業規模での評価(任意)。図3 削減貢献量の算定5ステップ(WBCSD v2.0)

ベースライン(参照シナリオ)の設定が最重要

算定の骨格は「削減貢献量=ベースライン排出量−評価対象の排出量」と単純です。難しいのは、何をベースラインとするかです。経済産業省ガイドラインは、ベースラインシナリオを「評価対象の製品・サービスが普及しなかった場合に最も起こりうる仮想的なシナリオ」と定義し、市場に存在する他の製品、法規制上の基準値(トップランナー基準など)、業界平均値などを例示しています。WBCSDガイダンスは、特定の市場における代表的な代替を用いること、情報が十分でない場合は最も広く使われているソリューション(新規販売における市場シェア上位25%、既設は除く)に基づくことを求めています。「最も削減効果が大きく見えるベースライン」を選びたくなる場面でも、合理性・再現性・第三者が理解できることを優先し、選定理由を明示することが欠かせません。

製品単位から企業全体へ、フローとストック

製品1単位あたりの削減貢献量を算出したうえで、企業全体は「製品単位の削減貢献量×普及量」で求めます。累積の方法には、評価期間に販売した製品が将来にわたって発揮する効果を一括して示す「フローベース(フォワードルッキング)」と、一定期間に稼働・使用されている製品が当該期間に発揮した効果を示す「ストックベース」があります。どちらを採用したかは明記が必要です。なお、将来を含む評価であっても、それは実績ではなく一定の前提に基づく影響評価(impact assessment)である点を、誤解のない形で説明することが求められます。

ライフサイクルとデータの区別

算定範囲は原則としてライフサイクル全体です。ただし、従来品と新製品がほぼ同一の段階を持つ場合や、使用段階の排出が著しく大きく他段階を無視できる場合などは、一部の段階に絞ることも理由を明示すれば認められます。WBCSD v2.0では、使用するデータを「企業の管理下にある活動は一次データ」「管理外でも入手可能なら固有データ、入手できなければ二次データ」というように区別して扱うことが新たに整理されました。

寄与率――定まった方法がない論点

最終製品の削減貢献量は、部品・素材を含む多くのステークホルダーの取り組みの成果です。そのため、中間製品のメーカーが貢献を主張する場合は、寄与率(ライフサイクル全体の削減量を貢献の程度に応じて配分する比率)を設定する必要があります。ところが、寄与率の設定には現時点で定まった考え方や算定方法がありません。GXリーグ「削減貢献量―事業会社による推奨開示仮想事例集」(2024年5月)では、製造・原材料・その他に分けて暫定的に寄与率を設定する例(製造に50%を割り当てる例)や、貢献の大部分が自社事業による場合に一時的に100%とする例が示されています。いずれの場合も、グリーンウォッシュを避けるため保守的に算定し、寄与率の考え方を開示することが推奨されています。

4. 3つのゲート――主張するための適格性

WBCSDガイダンスv2.0の中核が、削減貢献量を主張する前提として満たすべき3つのゲート(適格性)です(図4)。これは、信頼性を確保し、誤用やグリーンウォッシュを防ぐための入口の関門にあたります。

削減貢献量を主張するための3つのゲート(WBCSD v2.0)。ゲート1気候行動の信頼性、ゲート2最新の気候科学と整合、ゲート3貢献の正当性。図4 削減貢献量を主張するための3つのゲート(WBCSD v2.0)

ゲート1は「企業の気候行動に信頼性があるか」です。具体的には、GHG排出量インベントリを第三者検証付きで報告し定期的に更新していること、1.5℃経路に沿った短期目標を公に設定していること、進捗を監視して公開報告していること、移行計画を策定していることが求められます。ガイダンスは特定の枠組みを義務づけてはおらず、国際的に認知され第三者レビューを備えた科学的根拠に基づく枠組みとの整合を求めています。SBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアティブ)のネットゼロ基準は、そうした最新の気候科学に整合する枠組みの一つとして例示されています。

ゲート2は「ソリューションが最新の気候科学に整合しているか」です。IPCC第6次評価報告書(AR6)の第3作業部会報告などで認められた緩和手法に紐づくこと、そしてネットゼロと両立しない資産の寿命を直接的・間接的に延ばすソリューションは対象外であることが要件です。たとえば、石油採掘場を低炭素電力に接続して操業を続けさせるような介入は、長期的にネットゼロと整合しないため、削減貢献量を主張できません。

ゲート3は「ソリューションの貢献内容が正当か」です。大幅な脱炭素効果があること(significant decarbonization)と、その影響が実証されていること(demonstrated impact)を、参照シナリオとの差分や因果関係の説明によって示す必要があります。これら3つのゲートは、削減貢献量を対外的に主張・開示する際の信頼性を確保するための適格性要件です。社内検討や初期スクリーニングとして試算すること自体は妨げられませんが、外部に主張・開示する段階では、3つのゲートを満たし、前提条件を透明に開示することが求められます。

5. 日本のガイドライン群と国際標準化の動き

削減貢献量は、実は日本が官民で早くから議論をけん引してきた分野です(図5)。国内では、日本LCA学会「温室効果ガス排出削減貢献量算定ガイドライン」(2015年初版、2022年に第2版)、経済産業省「温室効果ガス削減貢献定量化ガイドライン」(2018年)、JEITA(電子情報技術産業協会)やJAPIA(日本自動車部品工業会)、日本化学工業協会などの業界ガイドラインが整備されてきました。2023年には、GXリーグが「気候関連の機会における開示・評価の基本指針」を公表しています。

削減貢献量をめぐる主なガイドラインと国際標準化の流れ。2013年ICCA/WBCSD、2015年日本LCA学会、2018年経済産業省、2023年GXリーグ・WBCSD初版、2025年WBCSD v2.0、2026年IEC 63372。図5 削減貢献量をめぐる主なガイドラインと国際標準化

これらのガイドラインの間には相違点もあり、とくに寄与率の取り扱いは差が大きい論点です。経済産業省ガイドラインは寄与率について記載がない一方、日本化学工業協会・JEITA・JAPIAはそれぞれ記載を設け、JAPIAは附則で各製品への配分比率を定義しています。こうした差を、WBCSDガイダンスv2.0が国際的に標準化する役割を担いつつあります。

標準化は規格の面でも進んでいます。電気・電子製品のカーボンフットプリント、GHG排出削減量、削減貢献量の定量化・伝達に関する国際規格 IEC 63372 が、2026年版(IEC 63372:2026)として発行されました。これは旧規格 IEC TR 62725:2013・IEC TR 62726:2014 を統合・改訂したもので、附属書で削減貢献量(avoided emissions)の事例を扱っています。日本の専門家が開発を主導したと紹介されています(日本規格協会等の解説による)。

あわせて、新しい概念も登場しています。経済産業省の「GX製品市場創出に関する研究会」では、想定や将来推計を含む削減貢献量に対して、実際に削減された量に着目した「削減実績量」という概念が提唱され、標準化に向けた議論が続いています。削減貢献量と削減実績量は目的が異なるため、今後はこれらの使い分けも論点になります。

6. 開示と活用――グリーンウォッシュを避けるために

削減貢献量は、前提条件の置き方で結果が大きく変わる指標です。だからこそ、開示の透明性が信頼の前提になります。WBCSDガイダンスv2.0とGXリーグ基本指針に共通する開示の要点は、次のように整理できます。第一に、GHG排出量インベントリ(Scope 1〜3)とは別のセクションで、明確に区別して報告すること。第二に、カーボン・ニュートラルや排出量ゼロの主張に削減貢献量を使わないこと。第三に、システム境界・評価期間・参照シナリオ・前提条件を明示し、結果の不確実性についても定量・定性に説明すること。第四に、リバウンド効果など気候変動以外への悪影響を検討し、対策を説明することです。

これらは「数字を大きく見せる」ことの対極にある姿勢です。GXリーグの仮想事例集でも、製品ごとの数値ではなく事業全体の合計を示しつつ、対象製品リストと算定方法、データの出所・更新頻度を開示することで透明性を高める例や、寄与率を保守的に設定する例が示されています。「どう算定したか」「どこまで含めたか」を正直に開示することが、結果的に社外からの信頼につながります。

活用の面では、削減貢献量は事業価値や成長性を語るツールになります。投資家からは「リスク対応としての排出削減」だけでなく「どんな解決策を社会に提供しているか」が問われており、削減貢献量はその問いへの一つの答えになります。GXリーグ基本指針は、削減貢献量が大きい企業ほど利益成長率が高い水準にあるという試算も紹介しています。ただし、それはあくまで自社の排出削減(Scope 1〜3)の取り組みが前提です。基本指針は、削減貢献量を開示する前提として、科学的根拠に基づく削減目標の設定、トランジション戦略の構築、目標・戦略・実績の開示という自社削減の取り組みを求めています。自社の排出削減を疎かにしたまま社会への貢献だけを主張することは、適切ではありません。

7. よくある質問(FAQ)

質問:削減貢献量は「Scope 4」ですか。Scope 1〜3に足してよいのですか。

回答:「Scope 4」は通称で、正式な区分ではありません。削減貢献量はScope 1〜3(目録会計)とは性質の異なる介入会計であり、合算したり差し引いたりはできません。GHGインベントリとは別のセクションで、区別して開示します。

質問:削減貢献量は「実際に削減された排出量」ですか。

回答:いいえ。削減貢献量は、参照シナリオとの比較に基づく影響評価(impact assessment)であり、実際に観測された削減量とは異なります。将来を含む評価でも、それは予測値ではなく一定の前提に基づく推計である点を明確に説明する必要があります。実績に着目した「削減実績量」という別概念の議論も進んでいます。

質問:部品メーカーでも削減貢献量を主張できますか。

回答:可能です。ただし、その部品が最終製品の削減に直接寄与していることを示し、寄与率を用いて配分する必要があります。寄与率の算定方法は定まっておらず、保守的に設定し、考え方を開示することが推奨されます。なお、同じ削減貢献量を複数の関係者が重複して計上すると、二重計上やグリーンウォッシュのリスクになります。

質問:どのガイドラインを使えばよいですか。

回答:国際的な標準化はWBCSDガイダンスv2.0(2025年)が中心です。日本では経済産業省ガイドライン、日本LCA学会ガイドライン、GXリーグ基本指針、業界別ガイドライン(JEITA・JAPIA・日化協など)があります。自社の業種に対応する業界ガイドラインがある場合はそれを参照しつつ、WBCSDガイダンスとの整合を意識するのが現実的です。

質問:削減貢献量を主張するために、まず何が必要ですか。

回答:3つのゲートのうちゲート1(気候行動の信頼性)が出発点です。GHGインベントリの第三者検証、1.5℃整合の短期目標の公表、進捗報告、移行計画の策定といった自社の排出削減の取り組みが前提になります。自社削減が伴わないまま貢献だけを主張することは適切ではありません。

まとめ

削減貢献量(Avoided Emissions)は、自社の製品・サービスが社会全体の排出をどれだけ回避させたかを、参照シナリオとの差分で評価する指標です。自社の排出責任を示すScope 1〜3(目録会計)とは性質の異なる介入会計であり、合算はできません。両者を区別して並べて開示することで、自社の排出責任と社会全体への貢献という2つの側面を示せます。なお、削減貢献量をScope 1〜3から差し引いたり、ネット排出量として合算したりはできません。

算定では、ベースラインの合理的な設定、ライフサイクルとデータの区別、寄与率の保守的な扱いが鍵になります。WBCSDガイダンスv2.0は、3つのゲート(気候行動の信頼性・最新の気候科学との整合・貢献の正当性)と5ステップの算定アプローチを示し、国際的な標準化を進めています。日本でも経済産業省・日本LCA学会・GXリーグなどのガイドラインが整い、IEC 63372として規格化も実現しました。前提条件を透明に開示し、自社の排出削減(Scope 1〜3)の取り組みを土台に据えることが、グリーンウォッシュを避け、削減貢献量を信頼される指標として活かす条件になります。

(執筆者:木塚)

参考資料

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