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CDPスコアの仕組みを徹底解説|A〜D評価の考え方と説明のコツ

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CDPスコアは環境パフォーマンスではなく開示の質と管理の成熟度(目標・進捗を含む)を評価する指標です。本記事ではA〜D評価の仕組み、4段階レベル、必須要件、実務でつまずきやすいポイントを詳しく解説します。

この記事を読んで欲しい人

CDP回答を初めて担当することになった方
・「なぜB止まりなのか」を社内で説明する必要がある方
・スコア改善に向けて、どこから手を付けるべきか悩んでいる方
・Aリストを目指す中長期ロードマップを描きたい方

目次

導入

CDPのスコア結果を見て、「思ったよりスコアが伸びなかった」「施策はやっているのに評価されない」と感じたことはないでしょうか。

これまで私がスコアの算出ロジックを一つひとつ確認していく中で気づいたのは、CDPが評価しているのは「環境活動の量」ではなく、「説明できる状態にどこまで成熟しているか」であるという点です。本記事では、CDPの採点・スコア付けの全体像から、A〜D―の8段階のスコアが決まる仕組み、実務で陥りがちな誤解までを整理します。読み終える頃には、「次に何を整備すべきか」が具体的に見えるはずです。

CDPスコアの基本思想|「実績」ではなく「成熟度」を測る

概要

CDPスコアは、単純な排出量の大小そのものを比較する指標ではありませんが、
マネジメント・リーダーシップレベルでは、目標設定や削減実績、検証といった「文脈化されたパフォーマンス」も評価対象に含まれます。質問書への回答内容を通じて、企業のガバナンス、戦略、管理体制がどこまで整理・説明できているかという「開示の成熟度」を測る仕組みです。

主なポイント(要約/サマリー)

・評価対象は「開示の質」と「体制の整備度」
・実績があっても説明できなければ評価されない
・スコアは段階制で、飛び級はできない

なぜCDPは「管理と説明責任」を評価軸に置くのか

CDPの設計思想を理解するうえで重要なのは、「比較可能性」という考え方です。企業規模、業種、地域が異なる中で、単純に排出量や削減率だけを並べても意味のある比較はできません。そのためCDPは、「その企業が自社の影響を理解し、管理し、改善していく体制を持っているか」という共通軸で評価します。 実務でよくあるのが、「削減施策は実施しているが、社内文書化されていない」「意思決定プロセスが暗黙知になっている」というケースです。CDPでは、こうした状態はほぼ評価されません。説明責任を果たせる状態にあるかどうかが、スコアの前提条件になります。

実務上のポイント

・「やっている」ではなく「説明できる」状態を目指す
・社内ルール・会議体・責任者を言語化する
・数値だけでなく、判断プロセスを書く意識を持つ

4段階レベル構造が前提になっている理由

CDPは、Disclosure(情報開示)→Awareness(認識)→Management(マネジメント)→Leadership(リーダーシップ)という4段階の成熟度モデルを採用しています。この構造の特徴は、必ず下位レベルをクリアしないと上位に進めない点です。たとえ先進的な施策を一部で行っていても、基礎的な開示が不十分であれば、評価はそこに引きずられます。
個人的には、この設計はかなり「実務現場寄り」だと感じています。土台が整っていないまま高度な取り組みを語っても、再現性がないと判断されるからです。

実務上のポイント

・まずは下位レベルの穴を塞ぐ
・「全ての質問に回答しているか」を最初に確認
・高度な話は後回しでも問題ない

A〜Dスコアの正体|4つの成熟度レベルを理解する

概要

CDPの最終評価であるA〜Dスコアは、4つの成熟度レベルと密接に結びついています。各レベルで評価される観点が異なり、単純な点数の上下では決まりません。

主なポイント(要約/サマリー)

・A〜Dスコアは4段階の成熟度モデルを基礎に設計

情報開示/認識レベルの説明

情報開示レベル(DおよびD-)は、最も基礎的な段階です。ここでは、質問に対してどれだけ網羅的に回答しているかが評価されます。空欄が多い場合、それだけでスコアは大きく下がります。
認識レベル(CおよびC-)では一歩進み、自社のリスクや機会を「認識しているか」が問われます。例えば、気候リスクを特定しているか、排出源を把握しているかといった点です。ただし、この段階ではまだ「管理」までは求められていません。

実務上のポイント

・D→C-は「認識の説明」が鍵
・分析は簡易でも、考え方を書く
・他部門ヒアリングが重要

マネジメント/リーダーシップレベルの説明

マネジメント(BおよびB-)になると、目標設定や削減施策、役割分担など「運用している証拠」が必要になります。つまり、管理プロセス全体が評価対象になってきます。
リーダーシップ(AおよびA-)は、いわば「模範解答」レベルです。1.5℃整合の移行計画、SBT水準の目標、第三者検証、バリューチェーンとの連携など、先進的な実践が求められます。Aリストは、これらのハイレベルな条件を満たした企業のみが選ばれます。

実務上のポイント

・Bは「管理プロセスを実行できているか」が問われる
・Aは「外部基準との整合性」が必須
・自社単独で完結しない点に注意

スコア計算の仕組み|ポイントと重み付けの考え方

概要

CDPのスコアは、質問ごとの点数を積み上げて算出されます。ただし、マネジメント、リーダーシップレベルでは、すべての質問の1点が同じ重みとはならず、セクターによってスコアリングカテゴリ別に重みづけが異なります。

主なポイント(要約/サマリー)

・質問ごとに点数が決まっている
・マネジメント、リーダーシップレベルはカテゴリ別の重み付けあり
・セクターによって重点カテゴリが変わる

情報開示レベル・認識レベルの単純計算

情報開示レベルと認識レベルでは、シンプルな計算が採用されています。質問の合計点数に対し、どれだけ得点したかを百分率で算出します。

この段階では、「よい回答ができる質問のみを回答する」よりも「(悪い回答も含め)漏れなく回答する」ことの方が重要です。実務的には、まず要求されている質問に回答できているかをチェックするだけで、スコアが安定しやすくなります。

実務上のポイント

・回答欄の空欄ゼロを優先(一部該当しない場合の扱いはガイダンスに従い回答してください)
・質問が求める要素を満たす定性説明は加点対象になり得る
・早期に全ての回答を準備

マネジメントレベル・リーダーシップレベルの重み付け計算

マネジメントレベル以上になると、「ガバナンス」「戦略」「目標」「排出」「検証」などのスコアリングカテゴリ別に分類された質問ごとに採点が行われます。それぞれのカテゴリ別の得点率に重みが掛け合わされ、最終スコアが算出されます。
特に注意すべきなのは、セクターによって重みが変わる点です。高排出セクターでは、排出削減や検証の比重が大きくなります。

実務上のポイント

・重要カテゴリを把握する
・全体平均より重点配分
・セクター別資料を必ず確認

必須要件(Essential Criteria)がスコアを左右する

概要

CDPには、点数とは別に「必須要件(Essential Criteria)」が設定されています。必須要件を満たさない場合、上位レベルとして認定されず、結果として最終スコアがその手前のレベルに留まります。
※必須要件は、フル版質問書への回答企業に適用され、SME質問書には適用されません

主なポイント(要約/サマリー)

・得点が高くても上位レベルに上がれない場合がある
・C、B、A-、Aに上がるごとに必須要件が存在
・見落としやすい落とし穴

必須要件の具体例と考え方

DからC-に上がるための認識レベルでは、リスク・機会を特定し、評価プロセスを説明していることが求められます。CからB-に上がるためのマネジメントでは、削減目標や実行中の施策、責任体制が必須です。

BからA-に上がるためのリーダーシップではさらに厳しく、移行計画がある、あるいは2年以内策定予定やScope3を含む第三者検証を実施しているなど、外部基準との整合性が求められます。ここがB止まりになってしまう最大の理由になることが多いです。近年のCDPでは、1.5℃整合やSBT水準の目標、第三者検証が強く重視される傾向にあり、Aスコアを目指す上では事実上不可欠になりつつあります。

実務上のポイント

・必須要件は別枠で管理
・点数と切り分けて確認
・年度ごとに変更される

必須要件を満たさないとどうなるか

実務でよくあるのが、「マネジメントスコアは高いのにB止まり」というケースです。これは、A-に上がるためのリーダーシップの必須要件を満たしていないためです。CDPでは、最終スコアは「到達したレベル」で決まります。

実務上のポイント

・上位要件を早めに把握
・中期計画に組み込む
・単年度対応は難しい

CDPスコアを実務でどう使うべきか

概要

CDPスコアは、外部評価であると同時に、社内整備のチェックリストとしても活用できます。点数に一喜一憂するより、改善の道筋を描くことが重要です。

主なポイント(要約/サマリー)

・社内説明ツールとして有効
・年度比較で成熟度を確認
・中長期視点が不可欠

スコア結果の説明と社内共有

CDPスコアは、経営層や他部門に状況を伝える共通言語になります。「Bだから良い・悪い」ではなく、「マネジメントレベルには到達したが、次は検証が課題」といった説明がしやすくなります。

実務上のポイント

・レベル概念で説明
・点数より構造を共有
・改善テーマを明確に

Aを目指すための現実的な考え方

Aリストは、短期で狙うものではありません。多くの場合、数年単位で体制整備と外部連携を進める必要があります。個人的にはまず、「安定したB」を取得できるだけの材料を用意することが、最短ルートだと感じています。

よろしければ、こちらもご確認ください。➡なぜCDPのスコアはBで止まるのか

実務上のポイント

・ロードマップを描く
・外部基準を早期確認
・無理な背伸びをしない

参考文献

[1] Understand your score as a disclosing company 
https://help.cdp.net/en-us/knowledgebase/article/KA-01160

[2] CDP Full Corporate Scoring Introduction 2025 

あわせて読みたい

[3] CDP Climate Change Scoring Essential Criteria 2025

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