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望ましいCSR調達・持続可能な調達プロセスとは

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CSR調達(持続可能な調達)を、経営コミット→リスク特定→対応→レビューのプロセスで解説。人権・環境リスクを減らし、サプライチェーンの信頼と安定調達を実現する実務の要点をまとめます

この記事を読んで欲しい人
  • 調達・購買部門で、CSR調達(持続可能な調達)を制度ではなく運用として回したい方
  • サステナビリティ/ESG担当で、サプライチェーンの人権・環境リスク管理を調達に落とし込みたい方
  • 経営企画・経営層で、CSR調達をコストではなく「共有安定・信頼・競争力」の施策として設計したい方
目次

導入

いま企業に求められているCSR調達(持続可能な調達)は、「良いことをする」ための取り組みというより、事業を安定して続けるための基盤になりつつあります。調達は、コスト・納期・品質といった事業の根幹を握る一方で、人権侵害や環境負荷といったリスクが最も表れやすい領域でもあります。サプライチェーンが複雑化するほど、問題は自社から見えにくくなり、発覚したときの影響は大きくなります。

だからこそ近年は、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」やOECDのガイダンスなどを背景に、企業がサプライチェーンを含む負の影響を把握し、予防・軽減し、説明できる状態を整えることが重視されています。

とはいえ、CSR調達はスローガンだけでは実装できません。実務で迷いがちなポイントは、「結局、何から始め、どう回せば成果につながるのか」です。そこで本稿では、CSR調達を「継続運用できるプロセス」として捉え、(1)経営層のコミットメントとステークホルダーへの共有、(2)リスクの特定、(3)リスクへの対応、(4)レビュー、という流れで整理します。

経営層のコミットメント・理念の共有

CSR調達は、経営層がコミットメントを決め、社内外のステークフォルダーに共有するところから始まります。調達という領域では、価格・納期・品質の最適化と、人権・環境配慮がトレードオフになり得るためです。
「当社は何を優先し、どこまで守るのか」という判断基準を、経営が先に定めておかないと、現場の意思決定はぶれて取り組みが続きません。

コミットメントの中身は、以下3点に絞るのが実務的だと考えます。

  • 守るべき最低基準
  • 問題が見つかった際の基本姿勢
  • 意思決定の型

経営層のコミットメントを実現するためには、社内外のステークフォルダーに理念を共有し、ともに取り組んでもらう必要があります。
具体的な方法に関しては、社内には稟議・評価・教育に落として判断基準を揃え、社外にはサプライヤー行動規範や契約条項として示すことが挙げられます。適切な理念の共有によって、各ステークフォルダーがコミットメントを当事者として捉えることが可能になり、効果的にCSR調達を実施していく助けになります。

こうして経営層がコミットメントを決め、理念の共有を行ったのちに、サプライチェーン上のDD(デュー・ディリジェンス)を継続的に実行します。

次章からはこのDDに焦点を当てていきます。

リスクの特定

DDの最初のステップは「リスクの特定」です。

「リスクの特定」では、まず「何をリスクとして扱うのか」を定義します。CSR調達におけるリスクとは、サプライチェーンを含む事業活動に伴って起こり得る人権・環境面の負の影響のことをいいます。

次に、「どこに集中するか」を決めます。すべてを同じ深さで追うのではなく、重大性の高い領域から優先順位を付けるのが基本です。OECDもリスクベースでのデューデリジェンスを求めており、限られたリソースを重要なところに厚く配分する考え方と整合します。

実務では、たとえば「高リスク地域の取引」「外注が多層化しやすい工程」「環境負荷の大きい原材料」といった単位であたりを付け、重点対象を絞り込みます。こうして重点を定めておくと、次の「リスクへの対応」で、監査・対話・是正の設計を迷わず組み立てられます。

リスクへの対応

企業が社会・環境に与える負の影響(リスク)について特定ができたら、それに対処していくことが求められます。リスクへの対応は、特定したリスクを放置せず、調達の仕組みの中で「下げる」工程です。対応は大きく二つに整理できます。

第一に予防・軽減です。重点領域について、行動規範や契約条項で最低基準を明確にし、選定・評価・監査や対話を通じて、問題が起きにくい状態を作ります。

第二に、是正です。問題が見つかった場合は、是正計画と期限を設定して改善を促し、改善が進まない、または重大性が高い場合は取引条件の見直しや停止など、段階的に対応を強めます。さらに企業が負の影響を引き起こした/助長した場合には、正当なプロセスを通じて救済を提供または協力します。

レビュー

これまで行ってきた工程がリスクに的確に対処できたかの確認を行い、改善につなげる工程がレビューです。リスクを特定し、対応を打っても、効果が出ていなければ意味がありません。

目的の達成度合い、リスクの軽減度合い、マネジメントシステムの機能度合いなどの観点から全体を振り返り、次に生かすための改善点を検討します。

このレビューを実務にしっかりと落とし込むことで、DDは一過性のイベントではなく、運用として回し続けることが可能になります。

まとめ

望ましいCSR調達は、個別施策の寄せ集めではなく、意思決定がぶれない「回る仕組み」です。

そういった視点では、CSR調達の成否を分けるのは、チェック項目の多さではなく、優先順位づけと改善まで到達する運用です。限られたリソースを、重要なところに厚く配分し、レビューで毎期アップデートする。これができれば、CSR調達はコンプライアンス対応にとどまらず、供給安定と信頼の獲得につながる経営の武器になります。

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参考文献

望ましい CSR 調達・持続可能な調達の在り方―サプライチェーン分科会からの提言―望ましいCSR調達・持続可能な調達の在り方

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